4日目

朝からずっと海鳴りが聴こえている。今日は三方を海に囲まれた岬の先端で、大波の頂点がつくる白いあぶくに釘付けになっていた。轟音をたて崩れているのに勢いのまったく衰えない波が、大岩を砕きながらこちらへ打ち寄せてくるのが見える。途方もない力だと思う。絶え間なく現れる緑がかった深い青色のうねりの中に、波にのまれて粉々になった自分を想像する。

 

実際、波はもっともっと凄かった。水しぶきのぐんと伸び上がる様子は叩きつける波の力の大きさをはっきりと表現していた。けれど、今日僕が波を見て考えていたのは、明日どうやって自分の家に帰るかってことだった。ずっと海鳴りを聴いていると気がおかしくなりそうだ。ただでさえ仕事を休んで旅行をしていると、考え事をして何が何だかわからなるというのに、広大な海に囲まれるとなんだか心細くなる。

 

正直、この旅行をするまで、自分があれこれ考え事をできることを忘れていた。

 

今日は書きたいことと思っていることが一致しないのでここで終わり。星空が綺麗だった。